佐波理ができるまで
撮影
佐波理綴は、従来の織物と違い三次元に横糸を立体的に織り込んでいくので、古典柄の平面的な文様だけではなく、実際の景色を表現することが可能です。ここでは、まず、図案の元になる、写真をプロの写真家と撮影に行きます。
(京都在住 小林文司氏)

図案
撮影された写真をベースにして画家の先生と帯柄にする為、綿密な打ち合わせをします。 経糸、横糸の数、組織、使う素材を考慮して図案に使える色数を計算しながら完成させていきます。
紋意匠図
織物の設計図に当たるもので方眼紙に図案を拡大して写し取り、何色もの色糸を使って、どのように織るかひと目ひと目丹念に塗り分けます。
糸染
先染の佐波理綴にとって図案とともに重要な作業の一つ「佐波理」は市販の糸は用いず、全て特別注文品のみを使用いたします。糸操り
出来上がった金糸。絹糸を扱いやすいようにして糸枠に巻き取る作業。整経
たて糸の必要な長さと本数を準備する作業。佐波理綴の場合、3000から8000本ものたて糸が使われます。製織
つづれの組織をベースに12件もの特許技術を使いこなし、本袋で織り上げる為熟練した佐波理お綴専門の職人のみ製織します。過去に例を見ない複雑な織物のため、一越一越、色糸を重ねてジャカードを使う点が、伝統的な綴機と区別されます。
最終仕上げ
一点生産が基本の為、織り上がった帯の最適な風合を一本一本吟味し、最終的な整理加工を経て、仕上げに出し、最初の図案と寸分変わらぬように出来上がっているか、どうかをチェックします。